アメリカでトランプ大統領に近いとされるメディア企業が、傘下のテレビ局に対し、トランプ大統領がよく使う表現を含んだ、メディアを批判するコメントを放送するよう求めていたことがわかり、報道の自由に関わるとして懸念が広がっています。
コメントの放送を求めたのは、アメリカ最大のメディア企業の1つで、3大ネットワークのABC、CBS、NBCのローカル局など193のテレビ局を傘下に持つ「シンクレア」です。
アメリカメディアによりますと、シンクレアは「いくつかのメディアは事実を確認せず、フェイクニュースを流している。偏った意見を流し、人々の考えをコントロールしようとするのは民主主義にとって極めて危険だ」という、トランプ大統領がよく使う表現を含んだ、メディアを批判するコメントを放送するよう、傘下のテレビ局に求めたということです。
そして先週、全米各地のローカルテレビ局で実際にキャスターがコメントを読み上げたということで、報道の自由に関わるとして懸念が広がっています。
シンクレアはトランプ大統領に近いとされ、別のメディア企業を買収して事業を拡大しようとしていることもあり、多くのメディアが批判的に取り上げています。
一方、トランプ大統領は、みずからのツイッターに「フェイクニュースのネットワークが、シンクレアが偏っていると批判するのはおかしなことだ」と投稿し、シンクレアを支持する姿勢を示しています。
-- NHK NEWS WEB