「伊藤忠商事」が輸入した大麦の一部から、基準を超える殺菌剤が検出されたとして、農林水産省は米と麦の輸入業務で伊藤忠を指名停止処分とする方針です。この大麦の半数近くはすでに消費されたと見られていますが、農林水産省は「健康に悪影響を与えるおそれはない」としています。
農林水産省などによりますと、伊藤忠商事が去年8月にオーストラリアから輸入した大麦の一部から、殺菌剤の「アゾキシストロビン」が法律で定められた基準の5倍の値で検出されたということです。
このため農林水産省は、伊藤忠が法律に違反した食品を輸入したとして、米と麦の輸入業務で指名停止処分とする方針です。
また、この大麦について、農林水産省は健康に悪影響を与えるおそれはないとしています。
一方、伊藤忠によりますと、基準を超える殺菌剤が検出されたのは、去年8月にオーストラリアから輸入した合わせて85トンの大麦の一部です。
このうち、およそ40トンは食品メーカーに販売されシリアルなどに使われて、ほとんどがすでに消費されたと見られるとしています。
一方、残りの45トンは在庫などで市場には出回っていないとしています。
伊藤忠は、輸入前の段階で誤って混入したものと見て原因を調べるとともに、保健所にも問題を報告しました。
伊藤忠は「消費者や関係者に心配と迷惑をかけ、深くおわびいたします」と話しています。
-- NHK NEWS WEB