アメリカのトランプ大統領は、中国による知的財産の侵害を理由に、1300品目に上る輸入品に高い関税を課す制裁措置の原案を公表したのに対し、中国側も報復措置を準備していると明らかにしたことについて、「中国と貿易戦争をしているのではない」として、貿易赤字の削減に向け、協議を進める考えを強調しました。
中国による知的財産の侵害の問題を巡って、トランプ政権は3日、通商法301条に基づいた制裁措置の原案を公表し、25%の関税を課す輸入品は、航空機や産業用ロボットなどおよそ1300品目、金額にして日本円で5兆円を超えるとしています。
これに対して、中国側は4日、同じ規模の制裁措置を準備していると明らかにし、米中間の貿易摩擦がさらに激しくなることが懸念されています。
これを受けて、トランプ大統領は4日、ツイッターに「中国と貿易戦争をしているのではない」と投稿し、貿易赤字の削減に向けて、協議を進める考えを強調しました。
アメリカの、中国に対する貿易赤字は、去年、過去最大の3752億ドルに上り、トランプ政権は、これを1000億ドル削減するよう求めていて、中国側の姿勢を見極めた上で、最終的に制裁の中身を判断することにしています。
トランプ政権は、来月中旬に企業などから意見を聞く公聴会を予定していて、制裁の発動は、早くても来月下旬以降になる見通しです。
-- NHK NEWS WEB