平成24年に中央自動車道の笹子トンネルで、天井板が崩落し9人が死亡した事故の遺族側は、検察がトンネル管理会社の元役員らを不起訴処分としたのは不当だとして、検察審査会に審査を申し立てる方針を固めました。
平成24年12月、山梨県大月市の中央自動車道の笹子トンネルで、天井板が140メートルにわたって崩落し、車が下敷きになるなどして、9人が死亡3人がけがをしました。
トンネルを管理していた中日本高速道路の前社長や元専務、それに支社や子会社の当時の役員ら合わせて8人が、事故前のトンネルの点検で十分な点検を指示するのを怠ったなどとして、業務上過失致死傷の疑いで書類送検されましたが、甲府地方検察庁は、先月23日起訴できる証拠が無かったとして8人を不起訴にしました。
これについて遺族側は、不起訴処分は不当だとして、検察審査会に申し立てを行う方針を固めました。近く横浜市内の弁護士事務所で申し立てに向けた手続きを始めることにしています。
事故で娘の玲さん(当時28)を亡くした松本邦夫さんは、「事故の再発防止に向けては裁判で真相を明らかにし、責任の所在をはっきりさせる必要がある。不起訴となった以上強制起訴という方法で裁判を行い、事故の原因と責任を追及したい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB