収賄などの罪で有罪判決を受けたブラジルのルーラ元大統領は7日、収監先の南部の警察施設に到着し、地元メディアはルーラ氏が収監されたと伝えています。
ルーラ元大統領は、2003年から2期8年、ブラジルの左派政権を率いましたが、在任中、大手建設会社が大型事業を受注できるよう便宜を図る見返りに、日本円にして総額1億円以上に相当する利益供与を受けたとして起訴されことし1月、高等裁判所が禁錮12年1か月の有罪判決を言い渡しました。
これに対して、ことし10月の大統領選挙への立候補を表明していたルーラ氏は日本の最高裁判所にあたる「司法高等裁判所」での判決が確定するまで収監されないよう、人身保護請求を申し立てていましたが5日、請求は棄却され、その日に収監に向けた出頭命令が出されていました。
ルーラ氏は出頭命令に従わず、サンパウロ州にある労働組合の本部ビルに立てこもっていましたが、7日、集まった大勢の支持者を前に、改めて無罪を主張したあと、警察に連行されて南部にある警察の施設に到着し、地元メディアは、ルーラ氏が収監されたと伝えています。
ルーラ氏は有罪判決を受けながらも、大統領選挙に向けた世論調査では貧困層を中心に、常にトップを走る根強い人気を保っていました。
しかし、今回の収監で、大統領選挙への立候補は極めて困難になると見られ、今後、支持者からの反発が予想されます。
-- NHK NEWS WEB