世界の海を行き交う船も温暖化の対策が迫られています。日本の大手海運会社が石炭や石油に比べ二酸化炭素の排出が少ないLNG=液化天然ガスで動く、船の建造を加速させることになりました。
LNGは石炭や石油に比べて温暖化の原因になる二酸化炭素などの排出が少なく世界の発電所などで利用が増えていますが、船の燃料も重油から天然ガスへの切り替えが課題になっています。
このため海運最大手の「日本郵船」は向こう5年間に、LNGを燃料に動く船や、海上でほかの船に天然ガスを補給する特殊な船の建造などを加速させることになりました。資金のうちおよそ100億円は使いみちを環境対策に限った「グリーンボンド」と呼ばれる社債を初めて発行し、温暖化対策などに関心をもつ世界の投資家から集めるとしています。
世界を行き交う船から出る温室効果ガスをめぐっては先週、国連の専門機関が、2050年までに排出量を半分にするとした国際的な削減目標を初めて設けたばかりです。
LNGを燃料に動く船への切り替えは、ヨーロッパを中心に世界で進んでいますが、日本は対応の遅れが指摘されていて、国内の海運各社で今後、対応が加速する見通しです。
-- NHK NEWS WEB