損害保険業界では、大規模な災害が起きた際、被災者に保険金をより早く支払うため、損害額の見積もり作業を簡素化するなどの取り組みが広がっています。
ことし4月の熊本地震や、8月に北海道や岩手県で大きな被害を出した大雨のように、大規模な災害が起きた場合、損害保険会社には、多くの被災者から保険金の請求が集中するため、いかに早く損害額を見積もって、保険金を支払うかが課題となっています。
このため、損害保険大手の「東京海上日動火災」は、自然災害が原因で建物の火災や損壊などの被害が出た場合、来年1月から、火災保険の保険金を見積もる業務を簡素化することにしました。
具体的には、住宅の応急的な修理やがれきの撤去などにかかった一時的な費用と本格的な建て替えや修理の費用とで、これまで別々に行っていた見積もりを一括します。これによって、建築業者などに確認して費用を分類する作業を省き、保険金の支払いまでの期間を2日から3日程度、短縮したいとしています。
会社の担当者は「1日でも早い生活の再建につなげたいという被災者の期待に応えたい」と話しています。
一方、「損害保険ジャパン日本興亜」は、首都直下地震に備えた臨時のコールセンターを、来年、大阪に設ける計画です。保険金の請求を受け付ける態勢を早期に整えることが狙いで、災害時に保険金をより早く支払うための取り組みが広がっています。
-- NHK NEWS WEB