1週間前、大分県中津市で発生した土砂崩れで崩壊した土砂の量は、ダンプカー1万台分に当たる6万立方メートル以上に達することが、民間の測量会社の調査でわかりました。斜面にはまだ土砂が厚く堆積していて、専門家は現場での作業の際には引き続き十分注意するよう呼びかけています。
1週間前の今月11日、大分県中津市耶馬溪町で起きた土砂崩れについて、民間の測量会社「アジア航測」は発生翌日の12日に、上空から航空機で斜面にレーザーを当てて測量し、国土地理院が9年前に公開した地形のデータと比較しました。その結果、斜面上部のいずれも最大で、幅110メートル、長さ75メートルの範囲が崩壊し、ところによって、土砂崩れが起きる前より20メートル以上深く削られていることがわかりました。
これを基に計算すると、崩壊した土砂の量は、10トンダンプカーおよそ1万台分に当たる6万立方メートル以上と推定されるということです。
その後、土砂は斜面を流れ下ってふもとの住宅地の付近に堆積し、厚さは最大で13メートルと、2階建ての住宅の高さを大幅に上回るということです。さらに斜面の中腹には、土砂がまだ5メートル以上の厚さで堆積していることもわかったということです。
今回のデータについて、現地を調査した国土交通省、国土技術政策総合研究所の桜井亘深層崩壊対策研究官は「急な斜面に土砂が不安定な状態で残っているので、今後の雨などで崩れたり落石が起きたりするおそれがある。捜索活動など現場での作業の際には十分注意してほしい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB