財務省の福田事務次官が、女性記者にセクハラ発言をしたとされる問題で、財務省は記者クラブに加盟する報道各社の女性記者に対して被害を受けたことがあれば財務省が顧問契約を結んでいる弁護士事務所に名乗り出てほしいと、異例の調査に協力するよう17日要請しました。今回の財務省の対応について、元官僚でコンプライアンスやハラスメントの問題に詳しい後藤啓二弁護士は次のように指摘しています。
「一般企業では通常取らない手法であり、驚いた。セクハラ問題では、被害者自身が被害を訴え出ることに心理的に高いハードルがあり、被害者に名乗り出させようという調査の進め方自体、非常に乱暴だと感じる。財務省は、まず福田事務次官のふだんの言動について、省内の職員から丁寧に聞き取るなどしっかり内部調査を行って事実の把握に努めることが必要だ」と指摘しています。
そして、自身も警察庁の官僚だった時に、女性記者から取材を受けたことがあるとしたうえで「官僚は、自分が記者にとって重要な取材対象であり、ハラスメントの被害を訴えにくい相手であるという認識をしっかりと持って、適切な距離で対応することが重要だ。役所などは民間企業に比べて外部の目が届きにくく、ハラスメントに対する危機意識が低いと感じる。ハラスメントを許さない組織風土づくりが必要だ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB