武田薬品工業がアイルランドの製薬会社に6兆5000億円を超える金額で買収を提案したのに対抗して、別の企業が買収を検討していると明らかにしましたが、この企業はその日のうちに発表を撤回しました。競合相手がいなくなったことで、今後は買収をめぐる正式な提案の期限までに武田薬品が相手側と条件面で折り合えるかが焦点になります。
武田薬品は19日、アイルランドの製薬大手「シャイアー」に対して、実現すれば日本企業による海外企業の買収案件としては、過去最大の6兆5000億円を超える金額で買収を提案していることを明らかにしました。
これに対して、アイルランドの別の大手製薬会社「アラガン」が、シャイアーの買収を検討していると発表したため、両社による買収合戦に発展すると見られていました。
しかし、アラガンは、その日のうちに「買収の提案をするつもりはない」と発表の内容を撤回しました。その理由について、現地メディアは発表のあと、この会社の株価が急落したため、株主の理解が得られないと判断したのではないかと伝えています。
武田薬品の提案に対して、今のところシャイアーは「企業価値を著しく過小評価している」と拒否していますが、今後は買収をめぐる正式な提案の期限である今月25日までに、武田薬品が相手側と条件面で折り合えるかが焦点になります。
-- NHK NEWS WEB