去年の衆議院選挙の前日に、公用車を運転して死亡事故を起こした兵庫県川西市の職員が、選挙準備のため1か月に200時間を超える残業をしていたことが関係者への取材でわかりました。警察は、職員と当時の上司を書類送検する方針で、長時間労働の実態を把握しながら、部下に過労な状態での運転を強いたとして、自治体の職員が書類送検されるのは異例だということです。
事故が起きたのは、衆議院選挙の投票日前日の去年10月21日でした。
兵庫県川西市で、市の公用車が軽乗用車と衝突し、軽乗用車を運転していた66歳の女性が死亡し、後部座席の59歳の女性が大けがをしました。
公用車を運転していたのは、市の選挙管理委員会の51歳の職員で、選挙準備のため1か月余り前から1日も休んでおらず、200時間を超える残業をしていたことが市や捜査関係者への取材でわかりました。
警察は、過労が事故につながったとして、週明けにも、この職員を過失運転致死傷の疑いで書類送検する方針を固めました。さらに、上司だった55歳の選挙管理委員会の当時の事務局長についても、長時間労働の実態を把握しながら、部下に過労な状態での運転を強いたとして道路交通法違反の疑いで書類送検する方針です。
捜査関係者によりますと、部下に過労な状態での運転を強いたとして、自治体の職員が書類送検されるのは異例だということです。
-- NHK NEWS WEB