大企業の従業員らが加入する健康保険組合の今年度の平均の保険料率は、高齢者の医療費を賄うための負担金が財政を圧迫している影響で11年連続で増え、労使双方の負担を合わせた1人当たりの年間の平均保険料は48万6000円余りとなる見通しです。
全国1389の健康保険組合で作る健保連=健康保険組合連合会によりますと、雇用環境の改善によって組合の被保険者が増えて、保険料収入が増加する一方、高齢者の医療費を賄うための負担金が財政を圧迫し、今年度は組合全体で1381億円の赤字となる見通しです。
また、平均の保険料率は11年連続で増えて9.215%となり、労使双方の負担を合わせた1人当たりの年間の平均保険料も、前の年度より3084円増えて、48万6042円になると見込まれています。
健保連によりますと、こうした財政状況の悪化を受けて、昨年度、9つの組合が解散したほか、現在、2つの組合が解散を検討しているということです。
健保連は、「中小企業の従業員らが加入する、国所管の『協会けんぽ』と同じ水準か、より高い保険料率を設定している組合が全体の20%余りにのぼっていて、組合解散の動きが広がらないか懸念している。政府は、高齢者医療の負担の在り方について見直しを急ぐべきだ」としています。
-- NHK NEWS WEB