ミャンマーではことし3月、アウン・サン・スー・チー氏が事実上率いる新政権が発足したことで、日系企業による進出への関心が高まるなどさらなる成長が期待される一方、新政権は少数民族との和平問題などをめぐって国際社会からの批判も浴びていて難しい対応を迫られています。
ミャンマーでは、50年以上にわたって軍が強い影響力を持つ政権が続いてきましたが、ことし3月にアウン・サン・スー・チー氏が事実上率いる民主化勢力による新政権が発足しました。
スー・チー氏は国家顧問として汚職対策や政治犯の釈放などで成果を挙げてきたほか、経済の分野でも、軍事政権時代から続いてきたアメリカ政府による経済制裁がことし10月に解除されたことで日系企業の間でも進出への関心が高まるなど外国からの投資の拡大によってさらなる成長が期待されています。
一方で、スー・チー氏が最優先課題として取り組んできた少数民族の武装勢力との和平交渉をめぐっては、東部のシャン州などで散発的に衝突が続いています。
また、西部のラカイン州でも少数派のイスラム教徒のロヒンギャの武装勢力が蜂起し、これを制圧する軍が過剰な人権弾圧を行っているなどとして国際的な批判も高まっていて、スー・チー氏は難しい対応を迫られています。
-- NHK NEWS WEB