企業の不正会計が後を絶たないことから、金融庁は、企業の決算をチェックする監査法人に対し、会計上のリスクなどを監査の報告書に詳しく記載するよう求めることになりました。
監査法人は企業の決算内容を調べて監査報告書にまとめていますが、東芝の不正会計を長年、見逃すなどずさんなチェックが問題になっています。このため、金融庁は監査の基準を改めることにし24日、有識者でつくる会議が見直しの案をまとめました。
この中では、監査結果をまとめた報告書に決算が適正かどうかだけでなく、会計上のリスクを明記することを求めます。
例えば、買収した事業がふるわず多額の損失を計上したり、海外の子会社が不正を引き起こしたりするなど監査法人が把握した重大なリスクを示したうえで、監査の際、企業側とどのようなやり取りをしたのかなどを詳しく記載するようにします。
金融庁は、監査法人によるチェックを徹底させて企業の不正会計を防いでいきたい考えで、今後、新たな監査基準について広く意見を募ったうえで、2021年3月期の決算から導入する方針です。
-- NHK NEWS WEB