製薬業界で国内最大手の「武田薬品工業」は、アイルランドの製薬会社に対する買収の交渉について、買収金額をおよそ7兆円に増やしたと明らかにしました。相手側も前向きに検討する意向を示し、両社は合意に向けて詰めの交渉を進めることになりました。
武田薬品は、アイルランドに本社がある製薬大手「シャイアー」に対し、6兆5000億円を超える買収金額を提示し、日本時間の26日未明を期限として交渉を進めていました。
これについて武田薬品は、25日交渉の期限が日本時間の来月9日の未明までに延長されたと発表しました。
また買収金額は総額460億ポンド(およそ7兆円)に増やしたことも明らかにしました。
これに対してシャイアー側は前向きに検討を進める意向を示し、両社で合意に向けて詰めの交渉が進められる見通しです。
シャイアーは血液や免疫に関わる患者の数が少ない希少疾患の薬に強みを持ち、アメリカを中心に100か国以上で薬を販売し、武田薬品としては買収によってがんや消化器系の病気の治療薬の分野で事業基盤を強化したい狙いがあります。
今回の買収が実現すれば、ソフトバンクグループがイギリスの半導体開発会社ARMホールディングスをおよそ3兆3000億円で買収した事例を大きく上回り、日本企業による海外企業の買収として最大の規模となります。
-- NHK NEWS WEB