日本を訪れている中国のネット通販大手、「アリババグループ」を率いるジャック・マー会長が都内の大学で講演し、大学の研究は学問の枠を超えて民間企業と連携することで新たな事業の可能性が広がると、学生に呼びかけました。
中国のネット通販大手、アリババグループを率いるジャック・マー会長が、25日、早稲田大学で講演し、会場には学生など1000人余りが集まりました。
講演は、大学在学中にさまざまな研究を活用して起業した学生からの質問に、マー会長が答える形で行われました。
AI=人工知能の研究を応用して会社を立ち上げたという学生が企業経営で何が大切かと質問したのに対し、マー会長は「人と違う展望を持って情熱を傾けるからこそ成功できる。自分しかできないことを実行するのが企業家で、5年、10年先の成功を見据えた仕事をしなければならない」と述べ、長期的な視点に立って戦略的に事業を進めていくことが必要だと強調しました。
さらに、大学の研究と企業活動の関係については、「今は大学だけに知識が集中する時代ではない。われわれは市場にどんな需要があり、どこに投資をすべきかを心得ている」と述べ、市場を見据えた研究を行い企業の資金援助も得ることで、新たな事業の可能性が広がるという考えを示しました。
講演のあとマー会長は、みずから携帯電話を使って学生たちとともに記念撮影をするなど、交流を深めていました。
-- NHK NEWS WEB