国際的な地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」の発効で、一層、温室効果ガスの削減が求められる中、大手機械メーカーの間では、発電所などで発生する二酸化炭素を回収する技術を新しいビジネスに生かそうという動きが広がっています。
このうち大手機械メーカーのIHIは、石炭火力発電所のボイラーに酸素を送り込むことで90%を超える高い濃度の二酸化炭素を回収する技術を開発しました。オーストラリアで行っていた実証実験のプロジェクトの結果、実用化のめどが立ったということです。
また、三菱重工業は、特殊な吸着液を使って排ガスから二酸化炭素を回収する技術を実用化し、アメリカの火力発電所の事業者などから二酸化炭素を回収するプラントの建設を受注しました。
川崎重工業も、石炭から大量の水素を製造し日本まで船で運搬するオーストラリアのプロジェクトで、排ガスとして出る二酸化炭素を回収する技術を活用することを検討しています。
先月発効したパリ協定は、今世紀後半には世界全体の温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすることを目指していて、大手機械メーカーの間で二酸化炭素を回収する新しい技術をビジネスに生かそうという動きが活発になっています。
-- NHK NEWS WEB