東証1部に復帰したシャープの昨年度の決算は、液晶パネルや液晶テレビの販売が好調だったことやコストの削減などで、最終的な損益が700億円余りの黒字と、1年間の決算としては4年ぶりに最終黒字を確保しました。
シャープが発表した昨年度1年間のグループ全体の決算によりますと、売り上げは2兆4272億円余りと、前の年度に比べて18.4%増加しました。
これは、タブレットや自動車用のほか、スマートフォン向けの中小型の液晶パネルの販売が好調だったことに加え、液晶テレビも中国やヨーロッパでの販売が増加したことなどが主な要因だとしています。
さらに、最終的な損益は702億円余りの黒字と、ホンハイとの連携によるコスト削減もあって、赤字だった前の年度から950億円余り改善し、1年間の決算としては4年ぶりに最終黒字を確保しました。
最終黒字となったことを受けて、シャープは6年ぶりに株主への配当を行うと発表し、普通株式では1株当たり10円を配当するとしています。
一方、今年度1年間の業績については、売り上げが2兆8900億円、最終的な利益は800億円と増収増益を予想しています。
シャープの野村勝明副社長は東京で行った記者会見で、「新体制に移行して以来、継続的に構造改革・事業拡大に取り組み、配当の実施までに業績を回復させることができた。これまでの流れを止めることなく、着実に中期経営計画を達成していきたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB