雪印メグミルクの子会社で、作物の種や飼料などを販売している「雪印種苗」は、長年にわたって牧草などの種の品種偽装を重ね、その事実を隠蔽していたことを明らかにしました。問題の責任を取って赤石社長が辞任し、役員が27日夜、記者会見を開き、謝罪しました。
偽装を行っていたのは、雪印メグミルクの子会社で、札幌市に本社がある「雪印種苗」です。
雪印種苗と雪印メグミルクは27日夜、札幌市内で記者会見を開き、経緯を説明しました。
それによりますと、雪印種苗は牧草用の種子などを販売する際に、不足分を補ったり在庫処理をしたりする目的で別の品種に偽装したり、ほかの品種を混ぜたりして販売していました。
こうした偽装は、平成14年に別のグループ会社で牛肉の偽装が発覚するまで、長年にわたって組織的に行われていたということです。
さらに平成14年以降も、雪印種苗は偽装を公表せずに隠蔽していたうえ、その後も少なくとも2つの品種で合わせて4件の偽装があり、ほかにも偽装かどうか判断できないケースも多数あったということです。
雪印種苗はこうした偽装について、平成26年に内部関係者と見られる人からの告発などを受けて社内調査をしましたが、その際、一部の役員らが証拠隠滅や事実と異なる話をするなど、隠蔽も行われていたということです。
笠松宏一副社長は会見で「多大なるご迷惑とご心配をおかけしました。今回のことを真摯(しんし)に受け止め、再発防止に全員で取り組んでまいります」と謝罪したうえで、一連の偽装や隠蔽について「会社の売り上げや利益につながるような誤った判断や、情報を開示しないという風土が根底にあり、『隠蔽偽装』という形になったのではないかと考えている」と述べました。
雪印種苗は品種を偽装した以外にも、牧草や飼料、作物の種の品種名を表示しないまま販売するなどの行為も行っていたということです。
問題の責任を取って、雪印種苗の赤石真人社長が27日に辞任し、親会社の雪印メグミルクの社長など役員も報酬の減額を予定しているということです。
-- NHK NEWS WEB