富士フイルムホールディングスによるアメリカの情報機器メーカー、ゼロックスの買収提案について、アメリカの裁判所は、27日差し止めを命じる仮処分を出しました。富士フイルムは、買収によって競争力を高めるという戦略の練り直しを迫られる可能性が出ています。
アメリカのメディアが伝えたところによりますと、ニューヨークの裁判所は、27日富士フイルムホールディングスがアメリカのゼロックスを買収する提案に対して、差し止めを命じる仮処分を出したということです。
理由について裁判所は、ゼロックスのジェイコブソンCEOが株主よりも自分の利益を優先したためだなどとしています。
富士フイルムによる買収提案をめぐっては、ゼロックスの大株主であるアメリカの実業家、ダーウィン・ディーソン氏と著名な投資家のカール・アイカーン氏が、提案内容がゼロックスの価値を過小評価し富士フィルムに有利な内容になっているとして差し止めを求めていました。
富士フイルムは、ゼロックスを子会社の富士ゼロックスと経営統合させることで、コピー機や複合機の事業の規模を拡大し競争力を強化する狙いでしたが、裁判所に差し止めを命じられたことで戦略の練り直しを迫られる可能性が出ています。
これについて富士フイルムホールディングスは「意外な判決に驚いている。経営統合は富士フイルムとゼロックス双方の株主にとって多大な利益をもたらすものと確信している。判決文を精査し、上訴を含め適切な手段をとっていく」というコメントを出しました。
-- NHK NEWS WEB