豊洲市場に整備される予定の観光施設をめぐり、東京都の小池知事は、施設の運営会社を直接、訪問して会社側と協議しましたが、条件面で折り合いませんでした。都は協議を継続することを確認しましたが、会社側は反発を強めていて、合意の見通しは立っていません。
豊洲市場の敷地内に整備される予定の観光施設「千客万来施設」をめぐっては、施設の運営会社「万葉倶楽部」が、小池知事による市場移転の基本方針を受け、築地市場跡地に同じような観光拠点ができることに難色を示すなどしていて、先月25日の話し合いでは小池知事の謝罪などを求めました。
これを受けて、小池知事は1日、神奈川県小田原市にある運営会社の本社を直接、訪問して高橋弘会長らと協議しました。
協議では、都側が施設の整備に向けたこれまでの経緯や背景を説明し会社側は、借地料の減免に加え、低コストで施設が建設できるゼネコンの紹介やテナント募集にあたっての全面協力などを都側に求めましたが、条件面で折り合いませんでした。
このあと、小池知事は記者団に対し、「いくつかまだ開きがあり、行政としてできることとできないことがあるので、持ち帰って関係局長会議で何ができるのか話していきたい」と述べました。
一方、高橋会長は、「小池知事は明確に『申し訳ない』とは言わなかった。今の条件では進まない。限りなく東京都と万葉倶楽部の間には信頼関係はゼロだ」と述べました。
これを受け、都は1日夕方、関係する局長会議を開き、この中で小池知事は1日の協議について、「先方には『千客万来施設の事業環境を阻害するような誤解を与えたことは申し訳ない』と陳謝した」と述べ、都として会社側の要望を精査し、協議を継続することを確認しましたが、会社側は反発を強めていて、合意の見通しは立っていません。
-- NHK NEWS WEB