韓国で、収賄などの罪に問われているイ・ミョンバク(李明博)元大統領に対する初公判が開かれ、イ元大統領側は「資金は受け取ったが賄賂にはあたらない」などとして起訴内容を全面的に否認しました。
韓国で、2013年まで5年間にわたって大統領を務めたイ・ミョンバク被告は、みずからが実質的に所有する自動車部品会社の訴訟費用をサムスン電子に肩代わりさせ、見返りにサムスン電子の会長に恩赦を与えたり、情報機関、国家情報院の資金を受け取り大統領権限で便宜を図ったりしたとして、収賄などの罪に問われています。
検察は、賄賂の総額が日本円でおよそ11億円に上るとしています。
3日、ソウル中央地方裁判所で開かれた初公判で、イ元大統領は出廷せず、弁護士が、サムスン電子からの資金拠出はあったものの訴訟費用の肩代わりをしたわけではなく、また、国家情報院から資金は受け取ったが公務のために使ったので収賄にはあたらないと主張して、起訴内容を全面的に否認しました。
イ元大統領は、検察の捜査は革新系のムン・ジェイン(文在寅)政権による政治報復だと主張して取り調べを拒否し、今後の裁判でもそうした批判を展開するものと見られます。
韓国では、先月、やはり収賄などの罪に問われているパク・クネ(朴槿恵)前大統領に対し、1審で懲役24年の判決が言い渡されています。
-- NHK NEWS WEB