富士フイルムホールディングスが買収することで合意したアメリカの情報機器メーカーゼロックスは、退任を予定していたCEOが一転して残留することになったと発表し、ゼロックスの買収をめぐる混迷が深まっています。
アメリカの情報機器メーカー、ゼロックスは1日、ジェイコブソンCEOを含む7人の取締役が退任し、買収に反対している大株主が推す取締役の就任を発表していましたが、3日、一転して全員が残留することになったことを明らかにしました。
その理由についてゼロックスは、取締役の退任は大株主が起こした裁判の終了が前提だったが、期限内に終わらなかったためだとしています。
大株主の1人で、「物言う株主」として知られるカール・アイカーン氏は、富士フイルムによる買収内容はゼロックス側に不利だとして、取締役の交代によって協議を有利に進めたい考えでしたが、いったん白紙に戻った格好です。
ゼロックスの買収をめぐっては先月、ニューヨークの裁判所がゼロックス側の手続きに問題があったとして、買収の差し止めを命じる仮処分を出しています。
富士フイルムは、これを不服として上訴する方針ですが、ゼロックスの大株主も買収を阻止するため攻勢を強めてくるものとみられ、混迷が深まっています。
-- NHK NEWS WEB