昭和41年に起きたいわゆる「袴田事件」で、死刑が確定した袴田巌さんが求めている再審=裁判のやり直しについて、来月11日に東京高裁の判断が示されることになりました。高裁でも再審が認められるか、注目されます。
昭和41年に今の静岡市清水区で会社役員の一家4人が殺害された事件では、従業員だった袴田巌さん(82)の死刑が確定しました。
袴田さんは無実を訴え、4年前、静岡地方裁判所は、犯人のものとされる衣類の血痕のDNA型が袴田さんと一致しなかったという弁護側の鑑定結果などをもとに、再審と釈放を認める異例の決定を出しました。
これに対して検察が抗告し、東京高等裁判所で改めて審理されました。
検察は、別の専門家によるDNA鑑定の検証結果などをもとに鑑定の手法は科学的に信頼できないと主張しました。
一方、袴田さんの弁護団は、鑑定の検証は器具や手順などが実際の鑑定とは異なるため信用できないと反論しました。
東京高裁は、来月11日に再審を認めるかどうか決定を出すことを決め関係者に通知しました。高裁でも袴田さんの再審が認められるか注目されます。
-- NHK NEWS WEB