史上初の米朝首脳会談を前に9日、東京で日中韓3か国の首脳会議が開催されます。首脳会議で3首脳は、北朝鮮の非核化に加え、経済や金融分野などでの緊密な連携を確認する見通しです。一方、これに続く日中首脳会談で両政府は、第三国での民間経済協力を推進するため、新たに官民合同の委員会を設置することで合意する方向となりました。
史上初の米朝首脳会談を前に、中国の李克強首相、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が就任後、初めて日本を訪れ、9日に東京で、日本・中国・韓国の3か国の首脳会議が開催されます。
中国の首脳が日本を訪れるのは2011年5月の当時の温家宝首相以来、7年ぶりで、韓国首脳の来日は2011年12月の当時のイ・ミョンバク(李明博)大統領以来、6年半ぶりとなります。
また、日中韓3か国の首脳会議は、2015年11月に韓国で開催されて以来、2年半ぶりとなります。
首脳会議で3首脳は、米朝首脳会談を前に北朝鮮情勢について意見を交わし、先の南北首脳会談の結果を評価したうえで、引き続き、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁決議の完全な履行が重要だという認識で一致する方向です。
さらに、北朝鮮の非核化や金融、経済、エネルギー分野での協力、それに自由貿易を推進し、日中韓FTA=自由貿易協定やRCEP=東アジア地域包括的経済連携の交渉加速化で緊密な連携を確認する見通しです。そして、3首脳はこうした成果を盛り込んだ共同宣言を発表する方針です。
また、会議のあと、安倍総理大臣はムン大統領、李首相と個別に首脳会談を行うことにしています。
このうち、李首相との日中首脳会談にあわせて、両政府は第三国での民間経済協力を推進するため、新たに官民合同の委員会を設置することや、海上や空での偶発的な衝突を避けるため、緊急時に連絡を取り合う「連絡メカニズム」の運用を開始すること、さらに相手国で働く自国の会社員が年金保険料を二重に支払わなくても済むよう「社会保障協定」を結ぶこと、また、野生のトキの保護協力を継続して実施することなどで合意し、覚書などを交わす方向となりました。
安倍総理大臣としては日中平和友好条約の締結から40年を迎えることし、今回の日中首脳会談を契機に両国の関係改善の流れを加速し、みずからの中国訪問、さらには習近平国家主席の日本訪問にも道筋をつけたい考えです。
-- NHK NEWS WEB