史上初の米朝首脳会談を前に、安倍総理大臣は、中国の李克強首相と会談し、北朝鮮の非核化が共通の目標としたうえで、国連安全保障理事会の制裁決議の完全な履行が重要だという認識で一致しました。また、両首脳は、安倍総理大臣が年内に訪中し、その後、習近平国家主席が日本を訪問する相互往来に向けて、調整を進めることでも一致しました。
安倍総理大臣は、日中韓3か国の首脳会議、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領との日韓首脳会談を終えた後、東京・港区元赤坂の迎賓館で、公賓として就任後初めて日本を訪れている中国の李克強首相と午後4時すぎから2時間近く、会談しました。
この中で、両首脳は、史上初の米朝首脳会談に向けた対応について意見を交わし、安倍総理大臣は「北朝鮮によるすべての大量破壊兵器やあらゆる射程の弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な方法での廃棄を実現するよう、日中で連携していくことが重要だ」と述べました。
そして、両首脳は、北朝鮮の非核化が共通の目標としたうえで、国連安全保障理事会の制裁決議の完全な履行が重要だという認識で一致するとともに、拉致問題の早期解決に向けて協力していくことを確認しました。
また、安倍総理大臣が「日中平和友好条約40周年のことしを日中関係の新たなスタートとなる年にしたい」と述べたのを受けて、李首相が安倍総理大臣に年内に訪中するよう招請し、両首脳は安倍総理大臣が年内に訪中し、その後、習近平国家主席が日本を訪問する相互往来に向けて、調整を進めていくことで一致しました。
さらに、両首脳は、第3国での民間経済協力を推進するため、新たに官民合同の委員会を設置して、企業経営者や関係閣僚が出席する「フォーラム」を安倍総理大臣が訪中した際に開催することで一致したほか、海上や空での偶発的な衝突を避けるため、緊急時に連絡を取り合う「連絡メカニズム」の運用を開始する覚書の交換を歓迎しました。
-- NHK NEWS WEB