販売の落ち込みに歯止めをかけようと、大手出版社など40社が大みそかの31日に雑誌や書籍の「特別号」を一斉に発売しました。
これは日本雑誌協会などが大手出版社など40社とともに行った初めての取り組みで、月刊や週刊で定期的に発売するものなどとは別に編集した内容を盛り込んだ「特別号」を31日一斉に発売しました。
このうち東京都内の書店では、店頭で出版社の担当者が着ぐるみなどでそれぞれの「特別号」をPRしていました。発売された特別号は小学生向けの雑誌が、来年春に入学する子ども向けに特集記事を組んだものや、ことし40年にわたる連載を終了した人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の特別号など、合わせて170点あり、発行部数にすると840万部に上ります。
購入した人は「年末年始はゆっくり雑誌などを読むことができます。早速実家に帰る新幹線の中で読もうと思います」と話していました。日本雑誌協会によりますと、出版物の発売日はそれぞれの出版社が決めており、40社が足並みをそろえるのは異例だということです。
雑誌や書籍の販売はスマートフォンの普及などで年々減少しており、このうち雑誌の昨年の販売額はおよそ7800億円とピークだった平成9年の半分にまで落ち込んでいます。日本雑誌協会の担当者の井上直さんは「年末年始の機会に特別号によって需要を掘り起こし、雑誌の魅力を伝えたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB