おととし、福岡市の総合病院にタクシーが突っ込み、入院患者など3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故で、過失運転致死傷の罪に問われている運転手の初公判が開かれ、被告は「ブレーキとアクセルを踏み間違えた事実はありません」と述べ、無罪を主張しました。
おととし12月、福岡市博多区の「原三信病院」の1階のラウンジに個人タクシーが突っ込み、入院患者の遠藤一行さん(当時53)と見舞いに来ていた花田盛幸さん(当時44)、妻の美佐代さん(当時44)の3人が死亡し、7人が重軽傷を負いました。
タクシーを運転していた福岡市の松岡龍生被告(65)は、ブレーキと間違えてアクセルペダルを踏み事故を起こしたとして、過失運転致死傷の罪で起訴されています。
福岡地方裁判所で開かれた初公判で、松岡被告は「ブレーキとアクセルを踏み間違えた事実はなく、私の過失で車を暴走させた事実もありません」と述べ、無罪を主張しました。
検察は、タクシーの運転記録装置にはアクセルペダルが踏まれていたことを示すデータが残っていたと主張したうえで、「車を検証した結果、アクセルやブレーキには不具合はなかった。被告は事故直後、病院職員の前で『ブレーキと踏み間違えた』などとつぶやいていた」と述べました。
一方、弁護士は「ブレーキペダルが踏み込めなくなっていて、車に問題があった。被告は衝突の前に恐怖で意識を失っていた」と主張しました。
今後の裁判では、自動車メーカーの関係者などが証言することになっています。
-- NHK NEWS WEB