韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領の知人らが起訴された一連の事件で、政府から独立した立場で捜査を行う特別検察官は31日、財閥最大手サムスングループの系列企業の合併に賛成するよう株主に圧力をかけたとして、職権乱用などの疑いで前の保健福祉相を逮捕しました。一連の事件で、特別検察官が関係者を逮捕するのは初めてです。
韓国のパク・クネ大統領の長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告や大統領府の側近らが起訴された一連の事件で、政府から独立した立場で捜査を行う特別検察官の捜査チームは31日朝早く、前の保健福祉相のムン・ヒョンピョ(文亨杓)容疑者を逮捕しました。
特別検察官の調べによりますと、ムン前保健福祉相は去年、財閥最大手、サムスングループの系列企業どうしの合併をめぐり、一方の企業の大株主で政府の傘下にある「国民年金公団」に対し、合併に賛成するよう圧力をかけたとして職権乱用などの疑いが持たれています。
特別検察官が、一連の事件で関係者を逮捕するのはこれが初めてです。特別検察官は、サムスン側が合併成立に向けて大統領府に協力を求める見返りにチェ被告が深く関与する財団や娘とドイツに設立した会社に巨額の資金を拠出した疑いを強めています。
また、パク大統領がこれに関わり、自分自身ではなくチェ被告らへ不正な利益提供を求めた「第三者供賄罪」に問うことも視野に捜査を進めています。
-- NHK NEWS WEB