風力発電施設を海上に設置するための世界最大規模の船が完成し、12日、長崎県五島市で関係者に披露されました。
完成したのは、環境省の事業で建造された風力発電の風車を海上に設置するための船です。
12日は長崎県五島市の福江港で、環境省や長崎県、それに建造した企業の関係者など150人余りが出席して式典が開かれ、テープカットを行って船の完成を祝いました。
船は、全長が110メートル、幅が43メートルで、環境省によりますと、世界最大規模だということで、風車の柱を乗せて沖まで運んだ後、船の半分ほどを海中に沈ませて、柱を海に浮かべます。
こうすることで、柱をつり上げる大型のクレーン船が必要なくなり、設置コストを最大で半分程度まで抑えることが期待されているということです。
洋上風力発電は、陸上に比べ風が強いことなどから、陸上の風力や太陽光に比べ安定した発電が見込めますが、設置コストが高く、国内で実用化されているものはほとんどないということです。
船の建造に携わった戸田建設の佐藤郁さんは「作業員も少なくて済むのでコストを削減できる。この船の活用で、再生可能エネルギーが普及することを期待している」と話しています。
-- NHK NEWS WEB