中国で、スマートフォンを使った配車サービスを利用した女性が、車のドライバーの男に殺害され、男が名義を偽って業務を行っていたことから、ドライバーの管理体制への批判の声が強まるなど波紋が広がっています。
中国国営の中央テレビは14日、中国内陸部の河南省鄭州で、今月5日深夜、スマートフォンを使った車の配車サービス「滴滴(ディーディー)」を利用した21歳の女性が殺害された事件を検証する番組を放送しました。
女性は、配車された車のドライバーの27歳の男に殺害されたと見られていて、男は事件後、川に飛び込み死亡しています。
中国メディアによりますと、この男は、過去に重大な交通事故を起こしたことから、本来、配車サービスのドライバーとして登録できないにもかかわらず、父親の名義を使って運転業務を行っていたということです。
また、この男については、女性の利用客から「不快な言葉を言われた」といった苦情もあったということで、運営会社によるドライバーの管理が不適切だったとの批判が強まっています。
事件を受けて、中国当局も配車アプリの運営会社やタクシー会社に対し、ドライバーの管理を強化する通知を出すなど波紋が広がっています。
「滴滴」は、中国最大の配車サービスで、日本でもタクシー会社と連携するなど、アメリカの配車大手のウーバーなどに対抗する形で、世界各地で事業の拡大を進めています。
-- NHK NEWS WEB