経営再建中の東芝は、昨年度1年間の決算を発表し、最終的な利益が8000億円余りと、4年ぶりに黒字を確保しました。売却が遅れている半導体子会社の利益を計上したことが主な要因です。
東芝は15日、昨年度1年間のグループ全体の決算を発表しました。それによりますと、売り上げは3兆9475億円と、前の年度を2.4%下回りました。
一方、最終損益は、8040億円の黒字と、前の年度の9656億円の赤字から大幅に改善し、4年ぶりに黒字を確保しました。
これは、グループの稼ぎ頭である半導体子会社「東芝メモリ」の売却が、中国の独占禁止法の審査で遅れ、子会社の利益として計上したこと、それに去年、経営破綻したアメリカの元子会社「ウェスチングハウス」の債権や株式を安く売却して損失が出た影響で、法人税の負担が減ったことが主な要因です。
あわせて発表した今年度の業績予想では、東芝メモリの売却益として9700億円を計上することなどから、最終利益の見通しを1兆700億円としています。
ただ、経営再建に向けては、東芝メモリの売却が中国当局に認められるかどうかが不透明なことに加え、半導体に代わる主力事業に位置づける社会インフラ関連などの収益力をいかに高めていくかが課題となります。
-- NHK NEWS WEB