大学生など15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故で、死亡した運転手はギアチェンジの操作ミスをしたことで、エンジンブレーキなどが利かない状態になり、事故を起こした疑いがあることが捜査関係者への取材でわかりました。さらにバス会社側が、大型バスの運転に不慣れな運転手の指導を怠っていたとして、警察は会社幹部などを業務上過失致死傷の疑いで、来月にも立件する方針で詰めの捜査を進めています。
去年1月15日の未明、長野県軽井沢町でスキーツアーのバスがセンターラインを越えて道路脇に転落し、大学生など15人が死亡、乗客26人がけがをしました。
警察は同じ型のバスの走行実験を進めるとともに、先月末までに会社側の関係者の事情聴取をほぼ終えるなどして、事故原因の捜査を進めてきました。
その結果、死亡した土屋廣運転手(当時65)が現場から700メートル手前の下り坂で、ギアチェンジの操作ミスをしたことで、エンジンブレーキなどが利かないニュートラルの状態になり、フットブレーキも十分踏み込めずカーブを曲がりきれなかった疑いがあることが捜査関係者への取材でわかりました。
さらに東京のバス会社「イーエスピー」の社長と運行管理担当の元社員は、死亡した運転手が入社面接で「大型バスの運転は不安だ」と話すなど、重大な事故を起こす可能性があることを予測できたのに、大型バスの運転技能を確認せずに乗務させるなど、指導を怠っていたこともわかったということです。
警察は死亡した運転手を過失運転致死傷の疑いで、また、会社の社長と元社員を業務上過失致死傷の疑いで、来月にも立件する方針で詰めの捜査を進めています。
-- NHK NEWS WEB