インドでは、突如廃止された高額紙幣を新紙幣に交換できる期限がすぎた31日夜、モディ首相がテレビ演説で、「新年の早い時期に混乱は収拾するだろう」と述べ、紙幣廃止によって影響を受けた農家などへの支援策を発表しました。
インドでは脱税対策などを理由に、去年11月に突如廃止された高額紙幣を新紙幣に交換できる期限がすぎた31日夜、モディ首相が国民向けのテレビ演説を行いました。
この中で、モディ首相は「国民が耐えてくれたおかげで、汚職、不正資金、紙幣偽造の摘発が進んだ。インドの将来が明るくなった」と感謝の言葉を述べました。そのうえで、「新年の早い時期に混乱は収拾するだろう。特に農村部への対応を強化するよう指示を出した」などと述べ、現金決済ができずに取り引きが減った農家への支援策などを発表しました。
インドでは各地の銀行で、旧紙幣を交換する人たちが長い列を作るなど混乱が続いたほか、買い控えの動きが広がってオートバイや自動車産業などでも売り上げが減少し、日本のメーカーにも大きな影響が出ています。
世界的にも例を見ない、大規模で短期間での紙幣廃止の取り組みは、長期的にはインド経済をよい方向に進めると評価する声がある一方で、2年連続で7%を超えている経済成長率を大きく引き下げるという専門家の指摘も出ています。
-- NHK NEWS WEB