貨物輸送専門の航空会社、日本貨物航空が去年とことしの2度にわたって機体が大きく損傷する事故を起こしていたにもかかわらず、軽微な損傷にとどまったと事実と異なる報告をするなど対応に問題があったとして、国土交通省が詳しい経緯を調べています。
国土交通省によりますと去年1月、日本貨物航空のボーイング747型機がアメリカ・シカゴの空港を離陸した直後に機体前方に鳥が衝突して、空港に引き返しました。
その際、機体のパネルが大きく損傷したにもかかわらず、会社側は当時、国に対し、軽微な損傷にとどまったと事実と異なる報告をしていたことがわかりました。
ことし3月にはサンフランシスコに到着した別の機体で内部の骨組みが変形する損傷が起きましたが、軽微な損傷として処理され、国への報告は行われていませんでした。
いずれのケースも本来、航空事故に該当し、大規模な修理が必要でしたが、すぐに修理は行われず、機体が定期整備に入るまでしばらく運航が続けられたということです。
国土交通省は17日、改めて航空事故に認定するとともに、会社側の点検や報告に問題があったとして詳しい経緯を調べています。
日本貨物航空はおととしにも、エンジン内部のボルトが折れていたにもかかわらず修理を先延ばしにして半年以上、運航していたなどとして、国から厳重注意を受けています。
-- NHK NEWS WEB