JAXA=宇宙航空研究開発機構などの人工衛星が集めた膨大な観測データを農業や市場調査などの新たなビジネスにつなげようと、民間企業に無償でデータを提供する新たなシステムの整備が進められることになりました。
人工衛星の観測データは、農地の画像から作物の生育状況を把握したり石油コンビナートのタンクの空き具合から市況を予測したりするなどの活用が期待され、アメリカなどでは積極的にデータが公開されています。
しかし日本では、JAXAなどの観測データを利用するのに高度な技術が必要なうえ大きなコストもかかり、民間利用は進んでいません。
このため経済産業省は、IT企業の「さくらインターネット」に委託して衛星データをデータベース化し、民間企業などに原則として無償で提供するサイトの開発を進めることになりました。
このサイトには解析ソフトが組み込まれ、地球観測衛星「だいち2号」などのデータを使いやすく加工して提供する計画で、来年2月の公開を目指しています。
経済産業省のつる田将範宇宙産業室長は「農業や物流、金融などあらゆる分野において競争力の強化や生産性向上を目指した取り組みを期待しているので、国としても新しいビジネスの発掘や人材育成を後押ししていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB