名古屋市の病院で鑑定留置されていた容疑者の男が逃走している事件で、男が、23日朝早く、およそ20キロ離れた愛知県犬山市で、偶然会った元同僚に「1万円を貸してほしい」と頼んでいたことがわかりました。近くの防犯カメラには、この男と見られる人物が自転車に乗っている姿が写っていて、警察が行方を捜査しています。
逃走しているのは、ことし2月、放火の疑いで逮捕された名古屋市西区の会社員、小倉泰裕容疑者(57)です。
警察などによりますと、小倉容疑者は、ことし3月2日から刑事責任能力があるか判断する精神鑑定のため名古屋市守山区の国立病院機構東尾張病院に鑑定留置されていましたが、22日午後9時すぎ、2階の病室からいなくなっているのがわかりました。
警察は、逃走の疑いで逮捕状を取って180人態勢で行方を追っていますが、23日午前5時ごろ、およそ20キロ離れた愛知県犬山市のコンビニエンスストアの駐車場で小倉容疑者が確認され、このとき偶然会った元同僚に「1万円を貸してほしい」と頼んでいたことがわかりました。
店の防犯カメラには小倉容疑者の姿が写っていて、上下黒のジャージ姿だったということです。さらに、午前5時40分ごろには、そこから150メートル余り離れた防犯カメラに、自転車に乗った小倉容疑者と見られる人物が写っていたことも警察への取材でわかりました。
警察は、小倉容疑者が犬山市やその周辺で逃走を続けていると見て行方を捜査しています。
-- NHK NEWS WEB