直木賞作家で、「下天は夢か」などの歴史小説で知られる津本陽さんが26日、誤えん性肺炎のため東京都内の病院で亡くなりました。89歳でした。
津本陽さんは和歌山市の出身で、大学を卒業後、会社員生活を経て、同人誌「VIKING」で執筆活動を始め、昭和53年に故郷・和歌山の古式捕鯨を描いた「深重の海」で直木賞を受賞しました。
戦国時代の武将や剣豪、幕末の志士などを主人公にした小説を数多く執筆し、昭和61年から平成元年にかけて新聞に連載された、織田信長が主人公の長編小説「下天は夢か」がベストセラーになるなど、歴史小説の第一人者として活躍しました。
平成9年には紫綬褒章を、平成15年には旭日小綬章を受章しています。
津本さんはその後も執筆活動を続け、おととしには、明治時代に外務大臣などを務めた陸奥宗光の生涯を描いた「叛骨」を刊行していました。
関わりのあった出版社によりますと、津本さんは先月、東京都内の病院に入院し、26日の午後10時10分、誤えん性肺炎のため亡くなったということです。
-- NHK NEWS WEB