東芝は経営を立て直すために進めてきた半導体子会社「東芝メモリ」の売却手続きが、1日にすべて完了したと発表しました。一度は株式の上場廃止も危ぶまれた東芝の財務は大幅に改善しましたが、今後は新たな収益の柱をどう育てるかが課題となります。
東芝は去年9月、経営の再建に必要な資金を確保するため、半導体子会社の東芝メモリをアメリカの投資ファンドなどでつくる“日米韓連合”に2兆円で売却することを決め、先月までに国内外の国や地域の独占禁止法などの審査が終了しました。
これを受けて、“日米韓連合”は1日、東芝に対し、東芝メモリを買収する資金を払い込み、これによって売却の手続きがすべて完了したということです。
東芝はアメリカの原子力事業で巨額の損失を出して財務が悪化し、一度は株式の上場廃止も危ぶまれましたが、東芝メモリの売却が完了したことで財務は大幅に改善しました。
ただ、圧倒的な稼ぎ頭であった半導体事業を手放したことで、今後は新たな収益の柱と位置づける社会インフラ事業などをいかに強化していくかが課題となります。
一方、東芝メモリは東芝が引き続き議決権ベースで40.2%の株式を保有しますが、経営の主導権は手放すことになり、海外メーカーとの競争が激しさを増す中、どのような経営体制をつくるかが焦点となります。
-- NHK NEWS WEB