スペインでは、与党・国民党の汚職事件を受けて議会でラホイ首相に対する不信任決議案が賛成多数で可決されました。これによってラホイ政権は退陣し、中道左派の社会労働党を中心とする新たな政権が発足し、6年ぶりに政権が交代することになりました。
スペインでは先月下旬、中道右派の与党・国民党の元幹部が企業から賄賂を受け取ったとされる汚職事件で、元幹部など29人に有罪判決が言い渡され、これを受けて野党第1党の社会労働党が議会にラホイ首相に対する不信任案を提出していました。
不信任案の採決は1日行われ、賛成180票、反対169票、棄権1票の賛成多数で可決されました。
与党の大規模な汚職事件への批判が強まる中、不信任案には、社会労働党をはじめ、急進左派政党や地域政党なども賛成にまわり、少数与党のラホイ政権は退陣を余儀なくされました。
新たな首相には、不信任案で首相候補に挙げられた社会労働党のペドロ・サンチェス書記長が就任することになり、スペインで6年ぶりに中道右派から中道左派へと政権が交代することになりました。
ただ、社会労働党も少数与党となり、ほかの政党との連携を模索することになるため、現政権と同様、難しい政権運営を強いられるものと見られます。
ヨーロッパでは、イタリアでことし3月の議会選挙から3か月近くにわたり政権の発足が遅れるなど、政治の混乱が続いており、カタルーニャ州の独立問題で揺れるスペインで政治が安定するのか注目されます。
-- NHK NEWS WEB