アメリカのトランプ大統領は、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉が難航していることを受けて、3か国によるNAFTAの代わりに、カナダ、メキシコとそれぞれ2国間の協定を目指す可能性に言及し、アメリカにとってより有利な協定を結ぼうという思惑があるものとみられます。
NAFTAの再交渉をめぐっては、先月中旬の合意を目標に協議を進めてきましたが、自動車の関税をゼロにする条件などをめぐり、主張の隔たりが埋まっていません。
さらに、トランプ政権が、カナダとメキシコに対して、鉄鋼製品などに高い関税を課す輸入制限措置を発動したことで、貿易面の対立が鮮明になり、NAFTAの合意は極めて不透明になっています。
トランプ大統領は1日、「カナダとメキシコとそれぞれ別の交渉になってもかまわない」と述べ、3か国によるNAFTAの代わりに、カナダ、メキシコとそれぞれ2国間の協定を目指す可能性に言及しました。
トランプ大統領としては、2国間の交渉のほうが、アメリカの主張を通しやすく、より有利な協定を結ぼうという思惑や、カナダとメキシコの連携にくさびを打ち込む狙いがあるものとみられます。
NAFTAの再交渉の行方が見通しにくいことから、アメリカへの輸出基地として、メキシコに進出が相次ぐ日本企業にとっても、事業環境の不透明な状況が続きそうです。
-- NHK NEWS WEB