データの入力漏れなどによって、公的年金の受け取りが本来よりも少ない人が相次いだ問題で、日本年金機構は、外部への業務委託を見直し、業者が正しく業務を進めているか厳しくチェックするほか、入札方式を改めるとした再発防止策をまとめました。
公的年金をめぐっては、日本年金機構がデータ入力を委託した情報処理会社の入力漏れなどによって、ことし2月、およそ10万4000人が本来よりも少ない額の年金しか受け取れませんでした。
これを受けて、日本年金機構は外部の有識者による調査委員会で再発防止策を検討し、4日、社会保障審議会の部会に報告書を示しました。
報告書は、今回の問題について「納期の遅れが常態化しており、早い段階で機構の職員が点検の実施や委託の停止を決断していれば、事態の発生を回避できた可能性があった」と指摘しています。
そのうえで、再発防止策として、業者が適正に業務を進めているか厳しくチェックするため、可能なかぎり機構が用意した場所で仕事を行わせることや、入札方式を改め、価格だけでなく技術力なども考慮する「総合評価落札方式」を原則として適用することを盛り込んでいます。
また、日本年金機構は、個人情報を取り扱う業務を委託した54の業者を対象に、契約に反した業務の進め方をしていないか調べた結果、個人情報の保管場所に鍵をかけないなど、不適切なケースが合わせて284件、見つかり、業者を指導したと説明しました。
-- NHK NEWS WEB