大手鉄鋼メーカー 神戸製鋼所が製品の検査データの改ざんを繰り返していた問題で、東京地検特捜部などは、不正競争防止法違反の疑いで神戸製鋼の東京の本社を捜索し、強制捜査に乗り出しました。会社側の調査で改ざんされた製品の出荷先は600社以上に上っていて、特捜部などは組織的に不正が繰り返されていたと見て実態の解明を進めることにしています。
捜索を受けているのは、神戸製鋼の東京・品川区にある本社です。
神戸製鋼を巡っては、去年10月以降、検査データが改ざんされたアルミや銅製品などが国内外の延べ688社に出荷され、5人の執行役員や元役員が改ざんを黙認したり、部下に不正を指示したりしていたことが会社側の調査で明らかになり、ことし4月には、会社のトップの会長兼社長が責任を取って辞任しました。
東京地検特捜部などは、神戸製鋼側から関係資料の提出を受けるなど捜査を進めてきました。
その結果、幹部がデータの改ざんに関わっていた疑いが強まったとして、不正競争防止法違反の疑いで強制捜査に乗り出しました。
不正競争防止法は、製品の品質などについて、うその表示をすることを禁じています。この問題では、出荷先に海外の大手航空機メーカーや自動車メーカーなどが含まれていることから、アメリカの司法省が調査に乗り出しているほか、アメリカやカナダの消費者が、賠償を求める裁判の手続きを始めるなど影響が広がっています。
特捜部などは、組織的に不正が繰り返されていたと見て、押収した資料を分析するとともに、関係者から事情を聴くなどして実態の解明を進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB