大手鉄鋼メーカー 神戸製鋼所が製品の検査データの改ざんを繰り返していた事件で、改ざんが始まったと見られる1970年代以降、役員経験者を含む40人以上が直接関わったり、黙認したりして不正を認識していたと見られることが、捜査関係者などへの取材でわかりました。東京地検特捜部と警視庁は、組織的に行われた不正の実態解明を進めることにしています。
神戸製鋼は去年10月以降、検査データが改ざんされたアルミや銅製品などが国内外の延べ688社に出荷していたことが会社側の調査でわかっています。
これを受けて、東京地検特捜部と警視庁は5日、製品の品質などについて、うその表示を禁じた不正競争防止法違反の疑いで、東京 品川区や神戸市にある本社、それに、栃木県の真岡製造所などを捜索しました。
会社側の調査によりますと、改ざんは国内外の23か所で行われ、遅くとも1970年代には始まっていましたが、およそ40年間で役員経験者を含む40人以上が直接関わったり、黙認したりして不正を認識していたと見られることが捜査関係者などへの取材でわかりました。このうち、5人は執行役員や役員を経験するなど会社の上層部だったということです。
特捜部と警視庁は、捜索で押収した資料の分析や幹部などへの聴取を行い、組織的に行われた不正の実態解明を進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB