アジアでは多くの株式市場で、3日からことし最初の取り引きが始まり、香港やシンガポールなどでは、去年の年末より値上がりして、取り引きを終えています。
アジアの株式市場は、多くで3日からことし最初の取り引きが始まり、午前中に発表された中国の製造業の景況感を示す指数が市場の予想を上回ったことなどから、香港では代表的な株価指数が先月30日の終値に比べて0.6%値上がりしました。
また、オーストラリアで1.1%、シンガポールでは0.6%と、多くの市場で上昇して、ことし最初の取り引きを終えています。
去年のアジアの株式市場は底堅い内需に支えられて堅調に推移しましたが、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会の利上げのペースが速まるとの見方が広がったことから、新興国から資金の引き揚げが進むことを警戒し、先月、多くの市場で株価が下落しました。
ことしの見通しについて、大和証券キャピタル・マーケッツ香港の長谷川誠次長は「年末にかけてアジアの新興国から資金を引き揚げる動きが見られたが、利上げはアメリカの景気が好調であることの裏返しでもあるので、今後、輸出産業を中心にアジアの新興国にプラスに働いてくるだろう」と指摘しました。
そのうえで、「アメリカのトランプ次期大統領が実際にどのような政策を打ち出すのかが注目だ。インフラ投資や減税などは市場にとって買い材料の一方、保護主義が推し進められれば、中国などとの貿易摩擦が局所、局所で生じると見られ、どうバランスを取るのかを見極める必要がある」と話しています。
-- NHK NEWS WEB