かつて「はえぬき」と並ぶ県産米の主力品種だった「どまんなか」に、認知症の予防効果が期待される成分が多く含まれていることが、山形大学と県の研究でわかりました。
山形大学の発表によりますと、農学部の渡辺昌規准教授と県水田農業試験場の研究グループは、「コシヒカリ」など全国の主な品種と県の品種、合わせて17について、認知症の予防効果があるとされる「フィチン酸」と呼ばれる成分がどの程度含まれているか調べました。
その結果、「どまんなか」が最も多い4%余りで「コシヒカリ」の1.3倍でした。
フィチン酸は米ぬかに多く含まれ、アルツハイマー型認知症に予防効果があるという研究データが発表されています。
山形大学は県内企業と共同で、米ぬかから効率的に抽出する方法をすでに開発し、今後、サプリメントとして商品化することも検討しています。
渡辺准教授は「ブランド米の競争がある中で、機能性の部分で付加価値をつけることができる。栄養補助食品の開発など6次産業化につなげたい」と話していました。
「どまんなか」は山間部の栽培に適したコメとして県が開発した品種で、平成3年に「はえぬき」とともにデビューしましたが、その2年後の冷害で大きな被害を受けたことなどから、現在の作付面積は県産米全体の0.5%にとどまっています。
共同研究を行った県は「どまんなか」の再評価につながると期待しています。
県農業総合研究センターの土地利用型作物部の中場勝部長は「『どまんなか』はもともと味のよい品種なので、また脚光を浴びるようにPRしていきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB