アメリカのトランプ次期大統領が、国内の雇用をメキシコに奪われていると主張する中、大手自動車メーカーのフォードは3日、メキシコに新工場を建設する計画の撤回を発表し、メーカーの間で現地への投資を見直す動きが相次いでいます。
フォードは3日、メキシコに16億ドル(およそ1900億円)を投じて建設するとしていた新工場の計画を撤回し、代わりに国内の工場の開発機能を強化して、700人の雇用を生み出すと発表しました。
計画撤回の理由についてフォードは、生産を予定していた小型車の需要が減ったためと説明しています。ただ、トランプ次期大統領は、フォードを含むアメリカの企業が、人件費が安く関税がかからないメキシコに生産拠点を移すことで、国内の雇用が奪われていると強く批判しており、今回のフォードの判断は、トランプ氏の意向が強く影響したものと見られています。
会見したフォードのマーク・フィールズCEOは「トランプ氏の企業の成長を後押しする政策に勇気づけられており、税制や規制の改革はアメリカの製造業復活にとって極めて重要だ」と述べました。
アメリカの製造業の間では、空調機メーカーがすでにメキシコへの工場移転計画を撤回していて、現地への投資を見直す動きが相次いでいます。
メキシコでは、トヨタ自動車や日産自動車、マツダなどが生産の増強を進めており、アメリカの企業の判断が、日本メーカーの投資計画にどのような影響があるか注目されます。
-- NHK NEWS WEB