ジャズ史上最も偉大な人物の一人とされるアメリカのサックス奏者、ジョン・コルトレーンが絶頂期の1963年に録音し、その後55年間、世に出ることがなかった幻のレコーディング音源が発見されました。
ジョン・コルトレーンはジャズが大きく変革した1950年代から60年代にかけて活躍したアメリカのサックス奏者で、1967年に40歳で亡くなるまで数多くの名演を残し、トランペット奏者のマイルス・デイビスと並ぶジャズ界の巨人として知られています。
今回見つかったのは、コルトレーンの絶頂期にあたる1963年3月にアメリカ・ニュージャージー州のスタジオで録音されたレコーディングのテープです。
テープは4本あり、7曲分が複数のテイクで収録され、このうち2曲はこれまでに知られていないコルトレーン作曲のオリジナル曲となっています。
演奏には「黄金のカルテット」と呼ばれる全盛期のバンドメンバーが参加し、当時のバンドの熱量の高まりを感じさせる激しい演奏が収められています。
1曲目では演奏前の会話もそのまま収録され「じゃあオリジナル曲だ」という呼びかけに、コルトレーンが応じるやり取りを聞くことができます。
レコード会社によりますと、この録音は当時、なぜかレコードとして発売されず、オリジナルのマスターテープも行方がわからなくなっていたため、長い間、記録だけが残る幻の音源とされていましたが、予備のテープがコルトレーンの当時の妻の遺族のもとで発見されたということです。
この音源は今月29日に発売され、録音から55年ぶりにファンの耳に届くことになります。
-- NHK NEWS WEB