多様な働き方を目指して、本業のほかに仕事をする副業や兼業を推進しようという動きが、大手企業の間でも出始めています。
大手IT企業のヤフーは、会社の事業と競合しないことを条件に社員の副業を認めています。
この会社はすでに、自宅などで仕事をするテレワークの拡充と週休3日制の導入も検討していて、副業は多様な働き方を認める環境整備の一環だとしています。
会社によりますと、副業を持つ社員の数は年々増えていて、今ではおよそ5800人の社員全体のうち、10%前後にあたるということです。
ソフトウェアやスマホのアプリの開発を個人で請け負ったり、ブログなどのウェブサイトの運営を手がけたりと、業務で培った技能を活用する社員が多いということです。
副業は業務の時間外に社員のスキルの向上や経験の蓄積につながるなど、会社としてもメリットが大きいということです。
ヤフーの湯川高康人事部長は「個人のキャリアは、必ずしも会社だけに限定されるものではなく、さまざまな経験を積めばキャリアアップにつながる。労働人口が減少する中、有能な人材を確保する手段にもなる」と話していました。
このほか大手企業では、情報サービス大手のリクルートホールディングスが、グループ会社全体で副業を認めているほか、製薬大手のロート製薬も去年から副業を認めました。
政府は働き方改革の一環として、副業や兼業を推進していて、今後、就業規則の見直しを企業に促す方針ですが、大手企業の間では普及が十分に広がっていない実態もあり、こうした企業の取り組みが注目されます。
-- NHK NEWS WEB