カナダで開かれていたG7サミット=主要7か国首脳会議は首脳宣言を採択し、閉幕しましたが、その直後、アメリカのトランプ大統領が関税をめぐるカナダのトルドー首相の発言に不満をあらわにして、首脳宣言は認められないという考えを示し、早速、対立が表面化しています。
カナダ東部ケベック州で開かれていたG7サミットは2日間の日程を終え、9日閉幕しました。
貿易などをめぐるアメリカのトランプ大統領と6か国の首脳との間の対立などから、発表が危ぶまれていた首脳宣言について、議長国カナダのトルドー首相は締めくくりの記者会見で、採択できたと述べたうえで会議は成功だったと強調しました。
一方、アメリカがヨーロッパ各国やカナダからの鉄鋼製品にも高い関税を課したことを批判し、報復措置を取る考えを示しました。
その直後、G7サミットの閉幕を待たずに大統領専用機でシンガポールへと向かったトランプ大統領はツイッターに、首脳宣言について「カナダのトルドー首相の記者会見における間違った発言と、カナダがアメリカの農家や労働者、企業に巨額の関税をかけているという事実に基づき、私はアメリカの代表に対し首脳宣言を認めないよう指示した」と書き込み、すでに発表された首脳宣言は受け入れられないという考えを示しました。
さらにトランプ大統領は「トルドー首相はG7の間は従順でおとなしくふるまっていた。それなのに私がG7の会場を去ったあと、記者会見で『アメリカの関税は侮辱的だ』と発言した。全く誠意がなく、弱虫だ」とトルドー首相を非難し、早速、対立が表面化した形です。
-- NHK NEWS WEB